〜言語化する力が、後継者を経営者にしていく〜
「なんとなく考えてはいるんだけど、うまく言葉にできない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実は、この“うまく言葉にできない”という状態は、後継者にとって見過ごせない課題です。
なぜなら、言語化できないものは、考えたことにならないからです。
経営の現場では、毎日さまざまな判断が求められます。
社員への対応、親世代との話し合い、事業の方向性、などなど。
その一つひとつに「自分の考え」が問われるとき、頼りになるのがロジカルシンキング=筋道立てて考える力です。
でもこのロジカルシンキングは、単に頭の中で整理できればいい、というものではありません。
「自分の考えを言語化する力」があってはじめて、思考は深まり、整理され、他者に伝わる形になるのです。
言語化とは、心の中にある曖昧な感覚や想いに“言葉”という輪郭を与えること。
頭の中にある「ぼんやりとした考え」や「なんとなくの違和感」を、外に出せるカタチに変えていく作業です。
これを繰り返すことで、自分の中に判断軸ができたり、他人に伝わる言葉になったりしていきます。
そして、そうして言語化された言葉には、力が宿るのです。
この「言葉の力」が、経営者には欠かせません。
たとえば、理念を語るとき。社員に方向性を示すとき。
表面的にかっこいい言葉を並べても、人の心は動きません。
考え抜かれた末に出てきた “言語化された言葉” だからこそ、人に届き、信頼を生むのです。
逆に、言語化されていない考えで話していると、ブレが起きたり、説得力がなくなったりします。それは経営判断にも影響し、自分自身の迷いにもつながっていきます。
言語化する力は、最初から完璧にできなくても大丈夫です。
「うまく言えないけど、考えたい」「ちゃんと伝えたい」と思いながら、
自分なりに言葉を探すことが、大事な一歩です。
「自分はなにを大切にしたいのか?」「なぜそれをやりたいのか?」
その問いに向き合いながら、言語化していくことで、
あなたの経営は、あなた自身のものになっていきます。
ロジカルに考え、言葉に力を宿す。
その積み重ねが、後継者を“本物の経営者”にしていくと考えます。
後継者の学校 代表 大川原